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天平三年な人々

hiromi ueda

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28 Sep. 2014

731(天平3)雅楽寮で唐楽、百済楽、高麗楽、新羅楽を習う人数を決める。
           (「雅楽への招待」P.59 雅楽年表より)


9月27日は、平城宮跡東院庭園にて、奈良文化財研究所主催「天平三年絵巻」と題する観月会がありました。その中で、天平三年秋における聖武天皇一家の私的な宴席というプロットで、笙を吹く機会をいただきました。

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この架空のお話での雅楽寮の官人は、リーダーの太田豊はじめ、岩佐堅志、松久貴郎、上田弘美。

研究者の講演あり、横笛の演奏あり、古代食の料理あり、天平装束のファッションショー的要素あり。

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この種の企画は、あまり学術的になりすぎてもお客さまがついて来れないし、エンターテイメントに走りすぎても嘘がまるわかりになってしまうし、バランス感覚が問われますね。雅楽の仕事も、今後こういうものが、ますます増えていくのではないでしょうか。

我々の演奏に関しては、太田豊のソロ以外はすべて、現行雅楽の範囲内でのきわめてシンプルな仕掛けによるアレンジ。わざわざ作曲しなくても、まだまだこんなに多彩な可能性があるのだと、わくわくしました。これも雅楽を自家薬籠中の物とするメンバーの技量のなせる技でしょう。

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私個人は、さんざんな出来であったにもかかわらず、またまた自画自賛してしまいました。

この前日は、別のところで本物のリアル「宴席」があり、舞楽「蘭陵王」を酔客の前で披露したのですが、その勢いのままサポートに同行してくれた仲間もいて、大変助かりました。

演奏って、演奏者だけではできないという当たり前のことを、つくづく思います。

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Posted byhiromi ueda