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高麗管絃

hiromi ueda

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11 June 2017

雅楽の教科書的なものを見ると、管絃イコール、ほぼ唐楽となっています。かつては高麗楽も行われていたけれど、いつのころにか、行われなくなったとか。もしも高麗管絃の演奏機会が増えてくると、書き換えられることになるのでしょうか。

先日は、博雅会にとって記念となる第30回雅楽公演。テーマは「高麗楽づくし」でした。


平成29年6月6日

スクエア荏原ひらつかホールにて

〈管絃〉

 高麗壱越調 八仙破 八仙急・残楽三返

〈歌謡〉

 朗詠 二星

〈舞楽〉

 振鉾三節

 延喜楽

客演  豊英秋

主催  皆中


今回の高麗管絃のベースとなったのは、今年3月に行われた主韻会の第1回演奏会。代表によると、十二音会の第1回の曲目が高麗管絃だったから、そのようにしたとのこと。名古屋まで聴きに行きましたが、素晴らしい演奏会でした。


そのときに、あれっ、と思ったのは、楽器の配置。

三ノ鼓が向かって左にあったのでした。


ふだんの唐楽においては、管楽器の格が、笙が上で、篳篥、龍笛の順となり、プログラムの配役も、その順番に書かれています。楽器の配置も、笙の側に羯鼓、琵琶がくるのですが、それが反転していました。

高麗楽においては、高麗笛が篳篥よりも格上。したがって、高麗笛の側に三ノ鼓、琵琶が配置されるとのこと。


ちょうど、お雛様の並び方が、関西と関東で逆になるかんじ。

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こちらが関西の並び方で、お内裏様が向かって右。つまり、唐楽と同じ。

主韻会と、今回の博雅会は、反転して、こうなりました。


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私の配役は鉦鼓でした。笙が鳴っていないので、琴の連がシャワシャワシャワと、衣擦れのように繊細に聴こえて、素敵。鉦鼓と三ノ鼓のツボがあったときの快感も、くせになりそう。



先生は、海松よりも、こちらのほうが、よくお似合いです。


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会場となったホールは、先生が楽生のころ通われた定時制高校の近く。駅までお迎えに行って、当時のことを伺う機会にも恵まれました。



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Posted byhiromi ueda