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手ほどき

hiromi ueda

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21 Aug. 2011

一 息入事
第一可吹気枕ヲ至次辞頭まで不絶気シテ可吹次句殊忠拍子を能可執。笙ハ専不絶音吹を以テ爲大事、達者不堪以之可弁、息のしたるきは第一の難なるべし、すゝしくいさきよく吹くべき也、大方楽をば笛の頭をつかむべし、序をばと葉よりさけかけて可吹之。時元云、笙息者廿歳にて可定也云々、又云息入の様は笙のすがたに可吹之、有口傳之  (體源鈔 P. 10 )

今年の春より、笙の生徒さんを持つことになりました。以前、関東に住んでいたころは、最初の先生より生徒さんをお預かりしていたこともあったので、お教えするのは、それ以来です。かつて教えていた中のひとりは、風のたよりによると、バンドで笙を吹いているらしい。元気にしてるかなあ。きっと、飄々と、爽快に、笙を吹いていることでしょう。

教えるといっても、今のところ、たったの二人で、しかも合奏仲間です。昨日は、ちょうど後から始めた人に笙が届いたので、初めて二人で少しだけ合わせました。音が空間にふわっと広がって、掛け合わせたように響き合って、とてもひとり増えただけとは思えません。つくづく、笙という楽器の不思議さを思いました。

私は、音大を出てからは、ピアノやリトミックを教え、笙の演奏活動にも恵まれていたので、若くして「先生」と呼ばれていました。十分な人生経験も積んでいないのに、人から頭を下げられることに疑問を持っていました。そういう思いは天に通じてしまうのか、望み通りというものなのか、紆余曲折があって、本当にいろいろなことがあって、その後で、再び雅楽の世界に戻って来ることができました。戻れたからには、そして、私のことを先生と呼んでくれる人が、たったひとりでもいる限りは、たとえこれからどんなことが起こっても、ずっとこの世界にとどまっていようと思います。


Posted byhiromi ueda